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山本 俊弘; 三好 慶典
Nuclear Science and Engineering, 142(3), p.305 - 314, 2002/11
被引用回数:2 パーセンタイル:16.96(Nuclear Science & Technology)希薄プルトニウム溶液における正の温度反応度係数について摂動論及び四因子公式に基づき考察した。溶液燃料の温度係数は、随伴中性子束またはf値が0.05eVから0.2eVの範囲で中性子エネルギーとともに上昇する場合に正になる。Pu-239に比べてPu-241は、その捕獲断面積のエネルギー依存性ゆえに、プルトニウム溶液の温度係数を正にする傾向を持つ。Pu-241が時間とともにAm-241に崩壊するにつれて溶液の温度係数はより正の方向に変化する。ホウ素やガドリニウム等の中性子吸収材のおおかたは、エネルギー上昇とともに0.05eVから0.2eVの範囲で捕獲断面積が減少するために、可溶性毒物として用いるとより濃度の高いプルトニウム溶液に対しても温度係数が正になる。例外的に、カドミウムやサマリウムは、希薄プルトニウム溶液に溶解しても温度係数を負に維持することができる。固定吸収体は、その吸収特性如何に関わらず、一般的に温度係数を負にする傾向を持つ。
宮川 俊一; 高津戸 裕司; 曾我 知則
PNC TN9410 97-068, 113 Pages, 1997/07
「常陽」MKII制御棒は、当初の設計から約20年経過した現在までに、44体の制御棒が主として寿命延長を目的とした種々の改良を経て製作され、このうち34体がその使用を終え、そのうちの16体の照射後試験(以下PIE)がほぼ完了している。これらの使用実績とPIE結果に基づく評価から、次のような知見が得られた。(1)「常陽」MK-I制御棒は密封型であったため、制御棒の寿命はBの10乗の(n,)反応によって制御棒要素内に蓄積するHeガスの圧力のために短く制限されていた。このためMKII炉心用の制御棒では、Heガスの制御棒要素外排出が可能で簡素な構造のダイビングベル方式のベント型を採用し、その有効性と信頼性を確認した。(2)MKII炉心では6本の制御棒全てにスクラム機能と出力抑制機能を持たせた設計としたため、地震時のスクラム機能確保と流力振動による炉出力振動防止の両立が必要になった。その解決策として、制御棒の下部に流力振動防止用の突起状の流力振動防止機構を設け、さらに突起の段数や形状を改良し、それらの両立性を確認した。(3)スクラム緩衝機構である制御棒下端部のダッシュラムは、原子炉運転中はほぼ炉心中心面に位置して高速中性子の照射量が非常に大きく、ダッシュラムのスエリングによる下部案内管の同緩衝機構の受け側との干渉が問題となった。これを解決するため、ダッシュラムの構造を中空として20%冷間加工を施す等の耐スエリング対策を確立し、長期使用条件下におけるスクラム緩衝機構での干渉の課題を克服した。(4)中性子吸収体(B4Cペレット)と被覆管との機械的相互作用(Absorber-Cladding-Mechanical-Interaction:以下ACMIと称す)は、制御棒の寿命制限因子として現在も世界的に最も注目されているテーマである。「常陽」制御棒の使用実績とPIEの評価によって、ACMIはB4Cペレット破片の再配置(リロケーション)により加速されること、それによるACMIの開始燃焼度は54510の26乗cap/m3乗と大きくばらつくことなどのメカニズムの詳細を把握し、より合理的な設計基準を明らかにすることができた。この設計基準に従い、従来型の制御棒の経験的な燃焼度管理法の妥当性、リロケーション防止の簡易対策(シュラウド管つきHeボンド型制御棒)の効果、さらにACMI吸収のため
動力炉・核燃料開発事業団
PNC TN9360 95-002, 98 Pages, 1995/11
本報告書は、第29サイクルの照射試験終了に伴い運転実績、照射実績、30サイクル照射予測等の各種データについて関係者への周知、活用を図ることを目的にまとめたものである。なお、29サイクルでのおもな照射試験は以下のとおりである。・「もんじゅ」燃料ピン照射試験、改良オーステナイト被覆燃料ピン照射試験、太径燃料ピン照射試験、フェライト鋼被覆燃料照射試験、太径中空燃料ピン照射試験、炭・窒化物燃料照射試験(以上B9)・制御棒設計基準策定(AMIR-6)・新型吸収材照射(AMIR-7)・「もんじゅ」被覆管材料照射(CMIR-5)・大学連合からの受託照射(SMIR)・「もんじゅ」サーベイランスバックアップ試験(SMIR)・実証炉炉心候補材料の高精度照射特性把握(MARICO-1)・実証炉構造材料強度基準策定(EXIR-1)また、29サイクルでの炉心燃料最高燃焼度(ピン最高)はPFD404の71,800(MWd/t)であり、MK-IIでの炉心燃料最高燃焼度(ピン最高)はPFD404の71,800(MWd/t)である。
動力炉・核燃料開発事業団
PNC TN9360 95-001, 104 Pages, 1995/11
本報告書は、第28サイクルの照射試験終了に伴い運転実績、照射実績、29サイクル照射予測等の各種データについて関係者への周知、活用を図ることを目的にまとめたものである。なお、28サイクルでのおもな照射試験は以下のとおりである。・太径燃料ピン照射(C6D)・制御棒設計基準策定(AMIR-6)・新型吸収材照射(AMIR-7)・大学連合からの受託照射(SMIR)・「もんじゅ」サーベイランスバックアップ試験(SMIR)また、28サイクルでの炉心燃料最高燃焼度(ピン最高)はPFD404の69,200(MWd/t)であり、MK-IIでの炉心燃料最高燃焼度(ピン最高)はPFD334の70,600(MWd/t)である。
加納 茂機; 舘 義昭; 井上 賢紀; 西田 俊夫; 吉田 英一; 平川 康
PNC TN9410 94-113, 70 Pages, 1994/04
(目的)平成元年度から開始した原子力用基盤材料研究(フロンティア材料研究)では、研究の効率的・効果的な推進のため、「クロスオーバー研究制度」により、産・学・官の相互交流型研究を行ってきた。5年度にて第I期計画が終了したのに伴い、本報で、クロスオーバー研究の推進体制、研究交流活動および国内外調査の実績をまとめるとともに、動燃の研究成果の概要および6年度からの第II期研究計画の概要を述べる。(方法)クロスオーバー研究体制として、原子力基盤技術総合的研究推進委員会(委員長:藤家東工大教授)が組織され、その下部組織である原子力用材料研究交流委員会(主査:岡本東工大教授)に研究実施機関である動燃、原研、金材研、無機材研、物質研が参画し、研究計画、研究成果および研究交流方法等を審議した。動燃と原研は、幹事機関として、研究交流方法の企画・調整の役割を交互に果たした。(結果) 1)動燃は幹事機関として、原研と交互に、材料研究交流委員会を10回開催した。また、研究会8回、勉強会3回、国内シンポジウム2回、国際シンポジウム1回、仏・独・伊・蘭の5研究機関とのワークショップの開催および国内研究機関の訪問調査を行った。これらの研究交流を通じた、外部の専門家との交流、新素材に関する最新情報の収集、試料の入手、共同研究の遂行等は、動燃の研究テーマの効率的推進に大変役立った。2)これらの研究交流により、動燃の研究テーマに関して以下のような成果を得た。1・新型セラミックス: 焼結法による既存の各種セラミックス(Al2O3,ZrO2,SiC,SiC3N4,Sialon等)を対象に550度Cおよび650度Cで最長4,000 時間のNa中腐食特性を評価し、優先的に粒界の腐食が進行し、耐腐食性を向上させるためには粒界の組織・構造制御が不可欠であることを明らかにした。これらの成果を踏まえて新型セラミックス素材を試作・評価し、一部のセラミックスについて、耐食性に優れた新型セラミックス創製の見通しを得た。2・傾斜機能材: PSZ/SUS 系FGMの各種物性値を組織および温度の関数として定式化し、高温度落差場及び高熱流束環境下における非定常・弾塑性解析を行った。高温度落差場においては遮蔽性重視型FGMが、高熱流束環境下においては熱伝達性能重視型FGMが熱応力緩和の点で有利であることを明らかにし、最適材料設計手
動力炉・核燃料開発事業団
PNC TN9360 94-002, 100 Pages, 1994/02
本報告書は、第27サイクルの照射試験終了に伴い運転実績、照射実績、28サイクル照射予測等の各種データについて関係者への周知、活用を図ることを目的にまとめたものである。なお、27サイクルでのおもな照射試験は以下のとおりである。・改良オーステナイト被覆燃料ピン照射、太径燃料ピン照射、日米共研フェライト鋼被覆燃料照射、「もんじゅ」燃料ピン照射、軸非均質燃料照射、高Am-241燃料照射(以上B8)・日仏交換照射(C4F)・太径燃料ピン照射(C6D)・制御棒設計基準策定(AMIR-6)・新型吸収材照射(AMIR-7)・燃料被覆管材の開発(CMIR-4)・大学連合からの受託照射(CMIR,SMIR)・「もんじゅ」サーベイランスバックアップ試験(SMIR)また、27サイクルでの炉心燃料最高燃焼度(ピン最高)はPFD404の68,600(MWd/t)であり、MK-IIでの炉心燃料最高燃焼度(ピン最高)はPFD334の70,600(MWd/t)である。
動力炉・核燃料開発事業団
PNC TN9360 94-001, 95 Pages, 1994/02
本報告書は、第26サイクルの照射試験終了に伴い運転実績、照射実績、27サイクル照射予測等の各種データについて関係者への周知、活用を図ることを目的にまとめたものである。なお、26サイクルでのおもな照射試験は以下のとおりである。・改良オーステナイト被覆燃料ピン照射、太径燃料ピン照射、日米共研フェライト鋼被覆燃料照射、「もんじゅ」燃料ピン照射、軸非均質燃料照射、高Am-241燃料照射(以上B8)・日仏交換照射(C4F)・太径燃料ピン照射(C6D)・制御棒設計基準策定(AMIR-6)・新型吸収材照射(AMIR-7)・燃料被覆管材の開発(CMIR-4)・大学連合からの受託照射(CMIR、SMIR)・「もんじゅ」サーベイランスバックアップ試験(SMIR)また、26サイクルでの炉心燃料最高燃焼度(ピン最高)はPFD406の68,100(MWd/t)であり、MK-IIでの炉心燃料最高燃焼度(ピン最高)はPFD334の70,600(MWd/t)である。
三好 慶典; 柳澤 宏司; 広瀬 秀幸; 中島 健; 青木 功; 須崎 武則
JAERI-M 92-158, 22 Pages, 1992/11
中央に中性子吸収体を配置した円環炉心に関する臨界実験を、原研の軽水臨界実験装置(TCA)を用いて行った。炉心断面が円環状になるように低濃縮ウラン燃料棒を配列した炉心の中央部に、円柱状のコンクリート模擬体及びホウ酸水溶液の入ったアルミ円筒を、その直径、ボロン含有率を主要なパラメータとして装荷し、水位法を用いて反応度を測定した。実験の結果、1)内筒部がボイドの場合に比べて水の厚さが5cm以上で有効な中性子隔離効果があること。2)ホウ素含有率が数%以下で負の反応度効果は著しく増加し、水・及びコンクリートについて、中性子隔離効果はホウ素を含まない場合に対して各々2倍、4倍以上になることが分った。本報告書は、臨界安全解析コードのベンチマークデータとしても有用である。
村上 清信; 青木 功; 広瀬 秀幸; 須崎 武則
JAERI-M 84-194, 32 Pages, 1984/10
濃縮度3.2w/o UO燃料棒による1515のPWR燃料集合体を模擬した試験領域と、その外側を濃縮度2.6w/o UO燃料棒による臨海調整用領域で取り囲んだ体系を作り、試験領域の吸収棒配置や吸収棒種類を変えた場合の、炉心に与える反応度効果、および出力分布の変化を調べるために、軽水臨界実験装置(TCA)を用いて臨界実験を行った。吸収棒は、ボロンカーバイド含有量の異なる7種類を用い、1種類当り最大21本使用した。PWR型の分散型吸収棒配置において、吸収棒のボロンカーバイド含有量を増加させた場合の臨界水位の変化率は、ボロンカーバイド含有量の低い所で大きく、含有量が高くなるに従い小さくなる。しかし、含有量が1.66g/cmの高密度の場合でも、まだ飽和に達しなかった。